『リチャード三世』を終えてはや10日。皆さんはいかがお過ごしですか。
素敵なアンケートを頂きましたので、ご本人のご了解を得て全文を掲載させていただきます。
小学校一年でローレンス・オリビエの「リチャード三世」を見て、中学・高校で坪内版でシェークスピアの全作品を読み、以後は時々、小田島版で読み直しています。たまたま知人が出ていたのでうかがい、興味深い演出とシェークスピアに対する愛情あふれる取り組みに感激しました。最も面白かったのはグロスター公のキャラクターで、実は当初、朗唱風のでクラメーションを期待していたらボソボソと日常的な日本語でスタートしたので拍子抜けしたのですが、すぐその、三枚目キャラの真の怖さがわかってきました、「馬鹿正直なクラレンス」の台詞の色には鳥ハダ…でした。最近見た映画でよく似たキャラだと、グルジュア映画「懺悔」の悪役の市長。道化のような極悪人。本当に怖いのは、「こわもて」よりも、こういう人なのでしょう。直後のヘイスティングズの登場も、すでに死相が現われているかのような衣装と髪形が印象的でした。マーガレットを男性が演じたのは面白い。それにしても、まさかリッチモンドと二役とは!!後でプログラムを見て驚きました。ただし、マーガレットが男性だと、女性3人の別れの場がいまいち決まらないし、絵として美しく仕上がらないのが弱点かな、と思います。シェイクスピア時代のように3人とも男優ならばまた違うのでしょうが。私は、アンの三宅さんは好きです。アンとグロスターの場面は、ローレンスオリビエの映画を見たときも子供心にちょっと納得できなかった(「どこにいる?」「ここに」で場内に嘲笑めいた笑いが起こって、うちの母が「こんな名場面で笑うなって!」とあとで怒っていたっけ…)けれど、今回、はじめて納得し、アンの女心が哀れで、特にその後、「ロンドン塔の前」の場面では泣けました。求婚の場でグロスター公がすばらしく表現できていたから、その後の流れが「つながった」(成立した)と思う。今回もうひとつ感心したのが、カットのうまさで、「和解の場」から「王の死」「王子(王)のロンドン帰還」までトントンつながってしまったのには驚きました。未亡人エリザベスがなぜヨーク少年をつれて聖域に逃げこんだのかわからないのが難だけれど、二幕後半を全部やるわけにもゆかないからしょうがない。最上のカットだったと思います。クラレンスの死と王子たちの殺害は、映像にする時は不可欠だけれど舞台上演は向いていないと思いますし。夜の場面はすばらしかったです。夜明け前のグロスターの独白も!!ヘンリー六世が、最高の出来だったと思うけれど、この場面はみんな良かった。特にリッチモンドにかける台詞の優しい響きには涙…でした。特に少年たちが美しかった。…書き足りませんが、これからもがんばって下さい!!
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